キャリアコンサルタントのやりがい

皆さん、キャリアコンサルタントという言葉を聞いたことはありますか?ここでは「キャリアコンサルタント やりがい」についてお話ししたいと思います。

具体的には、
1. キャリアコンサルタントは、何をする人?
2. 一人前のキャリアコンサルタントになるためには?
① 若年者支援
② 中高年者支援
③ 働く女性への支援
3. 若年者を主に担当するキャリアコンサルタントに必要なこととやりがいとは?
4. 中高年者を主に担当するキャリアコンサルタントに必要なこととやりがいとは?
5. 働く女性を主に担当するキャリアコンサルタントに必要なこととやりがいとは?

について紹介していきたいと思います

1. キャリアコンサルタントは、何をする人?

(1)キャリアコンサルタントができた背景
もともと民間資格として2002年に作られた資格です。(当時の小泉内閣で発案者は、竹中平蔵さんです)。日本が「失われた10年」と言われている時代です。日本の高度成長を支えてきた終身雇用や年功序列の制度(いわゆる三種の神器)にほころびが見られ、雇用の流動化が本格的に始まりました。つまり、「転職が当たり前」の時代が日本でも始まったのです、しかし、日本では核家族化や地方での過疎化が進み、家族や地域が、就職や失業で悩んでいる人を十分に支えきれない状況になっていました。
そこで、国が仕事で悩んでいる人や困っている人をサポートする仕組みとして立ち上げたのがキャリアコンサルタントなのです。具体的なイメージとしては、ハローワークの相談員のような方を、もっと「働く現場」(企業や学校などの組織)に増やそうという狙いがありました。

(2)キャリアコンサルタントの役割
このようにキャリアコンサルタントは、「働く人(求職者や失業者)」をサポートするためにできた資格です。しかし、厚生労働省は、もっと広い役割を果たす資格として位置づけています。
「キャリアコンサルティング」とは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと」を指し、「キャリアコンサルティングを行う専門家をキャリアコンサルタント」としている。わかりやすく言いますと、キャリアコンサルタントは就職や転職のあっせんをするだけでなく、その相手が人生をより豊かに生きていくために、相談や助言を行い支援していく専門家だと言えます。
要するに
「クライエントの人生そのものをサポートする」ということです。
ですので、一般的に「やりがい」について言えば、クライエントの人生に何らかの役に立てたことに喜びを見いだすことということになります。素晴らしい仕事ですね!

2. 一人前のキャリアコンサルタントになるためには?

このようにキャリアコンサルタントは、とても素晴らしい仕事です。では、このようなスキルを身につけて、一人前のキャリアコンサルタントになり、「やりがい」を感じられるにはどうしたらよいのでしょうか?
結論から言いますと、普通の人生相談ではなかなか解決がむずかしい課題を抱えている方への支援ができることです。大きく3つの分野があり、それぞれ困難な課題があります。具体的に見ていましょう。

① 若年者支援
日本特有の現象として「753現象」という問題があります(最近、改善されたので三四郎現象と呼びましょうという意見もあります)。つまり新卒で入社して、3年以内に退職する人の割合です。中卒が7割、高卒が5割、大卒が3割という数字です。新卒で入社した社員に対するアンケート調査によると、新入社員の9割近くが、終身雇用制度に賛成しているといわれています。ところが、3年以内にこれだけの若者が退職しています。人を採用するには、多くの時間と費用がかかります。日本の経済成長が低迷している原因の一つと言われています。この難問に対する対応がキャリコンに課せられています。

② 中高年者支援
中高年の方は、一家の「大国柱」になっていることが多いです。家のローンや子供の学費など出費がかさみます。日本はまだ、年功序列の賃金体系をとっている企業が多いので、例えば、50歳、部長で年収700万ということは普通にあることです。ところが、この不況で会社が倒産してしまった。ハローワークで職を探しても、50歳過ぎて、年収700万の求人は普通ありません。ではどうするか?これもキャリコンに課せられた重たい課題です。

③働く女性に対する支援
「結婚(出産)」が、人生に与える影響は男性に対するより女性に対する方が、はるかに大きいと言われています。今は、「女性活躍時代」の到来ということで様々な支援制度が整備されつつあります。しかし、日本の実態はまだまだ「男性社会」です。例えば、子育ては、女性が中心です。退職して子供が小学校に入学して、再就職するということは、珍しいことではありません。いわゆる「M字曲線」の問題です。ブランクがあり、しかも子育ては続きます。でも、旦那さんの給料は上がらないので正社員で働きたいと考える女性は増えています。一方、採用する側は、子育て中の女性を正社員として採用することを躊躇することが多いです。ではこのような女性をどう支援していくのか?キャリコンに課された重い課題の一つです。

3. 若年者を主に担当するキャリアコンサルタントに必要なこととやりがいとは?

「753現象」で退職していく若者の退職理由の第一位は、「こんなはずではなかった」というリアリティーショックにあります。給料が安からではありません。つまり学校で勉強してことと、仕事の現場があまりに違うので驚いてしまうのです。本質的な理由は日本の学校教育が「実学」を軽視していることにあります。実学は専門学校や工業高校や商業高校がやることで、普通教育でやることではないという価値観で文部科学省が普通教育を考えています。この価値観は、明治から続いており、基本的に変わっていません。そこで、文部科学省は、キャリア教育を独自のカリキュラムを組んで、小学校から「職業教育」を普通教育の中に位置づけました。教育基本法が60年ぶりに大幅に改正されましたことは、ご存知だと思います(2007年12月)。
一方で学校の先生は、キャリア教育を担当することは、難しいです。日本の教員の多くはサラリーマンの経験はありません。したがって、キャリア教育の担い手は、キャリアコンサルタントということになっているのが現状です。
3年以内で退職する多くの多くの若者は、勉強したことが仕事に役に立たないので、「自分に何ができるだろう?」と悩んでいます。「自分探し」をしているは若者が非常に多いです。ここを上手く乗り切れないと、フリーターになりさらにニートになる危険性もあります(「引きこもり」です)。
多くのキャリアコンサルタントが若年者支援に取り組んでいます。ニート専門の方もいます。キャリアコンサルタントには、「自分探し」をしている若者を受けとめ、未来の可能性に気づきを促すスキルが求められます。この困難な仕事に、多くのキャリアコンサルタントが、若者の人生を支えることに「やりがい」を見いだしています。

4. 中高年者を主に担当するキャリアコンサルタントに必要なこととやりがいとは?

中高年の転職は、長年培ってきた人脈の活用が最もポイントになります。本人が「気づいていない」ことが多いです。年賀状や同窓会名簿の整理や、仕事の取引先のリストアップからはじめます。その中で、仕事の相談ができる人を選びだします。そうすると、会社の社長さんや経営者などが出てくることがあります。さらにアポ取りのスケジュール作成まで支援しましょう。一人でもお会いできる方が見つかれば、たとえその方がダメでも、その方からさらに紹介してもらうこともできます。粘り強く支援しましょう。
仮に転職先が見つかっても、前職の年収確保(先ほどの例では700万)確保は難しいです。その場合は、家族(奥さんや、お子さん)の支援が必要になることが多いです。中高年の方の支援されているキャリアコンサルタントの方は「一家の生活を支えることができた」ということに「やりがい」を感じています。

5. 働く女性を主に担当するキャリアコンサルタントに必要なこととやりがいとは?

働く女性に対する支援のポイント、「働き方の多様性(ダイバシティー)」に気づきを促すことです。例えば、先ほどの子育てをしながら、再就職を目指す例を考えてみましょう。まず、いきなり、正社員を目指すのは中々大変です。まずはパートから初めて、実績を積んでから正社員になる。このような仕組みがある会社を探すことを支援する。あるいは「起業」の道を選択することを支援する。例えば、地元の名産品をインターネットで販売する会社を立ち上げる。自治体によっては、このよう起業に助成金を出すところもあります。情報は、「マザーズハローワーク」にあります。マザーズハローワークの活用も支援のポイントになります。
男性と同等に働きたいという女性に対する支援も重要です。例えは、総合職として幹部を目指している女性に対する支援です。「総合職なので、育児休暇が取りにくい」「周りに育児休暇を利用している総合職はいない」などと悩んでいる女性は多いです。前述したように、日本はまだまだ男性社会です。このような場合は、男性の意識改革や会社の「社風」を変える必要があります。
キャリコンとしては、環境への働きかけも視野に入れた支援が必要になります。特に経営層がポイントになり、粘り強い支援が必要です。働く女性を支援しているキャリコンは、「本人だけでなく会社の雰囲気を変えることができた」ことにやりがいを感じられている方が多いです。

いかがでしたか?「キャリアコンサルタント やりがい」イメージできたでしょうか?
今後、ますます需要が増える資格だと思います。
ご興味ある方は、是非アジャイルキャリアまで、ご連絡下さい!