第17回キャリアコンサルタント試験の論述解答例

■解答(論述試験)

第17回キャリアコンサルタント試験の論述解答例を開示します。JDCA(日本キャリア開発協会)向けの解答例です。是非ご活用下さい。

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論述解答例(第17回 キャリア開発協会)
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<問1>
事例Ⅰは、「園長がトップとして方向を示して、進めていくのは、組織として普通だと思う」というコンサルタントの発言に見られるように、クライエントの考えを聞く前に自身の価値観を優先させ、さらに、「もう少し時間がかかる」などとクライエントを説得しようとする姿勢が見受けられる。これに対して、事例Ⅱは、「空回りしている」「わかってくれない」というクライエントの気持ちを具体的に聞き取り、原因や背景を知ろうとするコンサルタントの好意的関心の姿勢が見られ、その結果「何だろう・・・」と自己探索を促し、気づきを与えている。

<問2>
事例1のCCt7  相応しくない

理由:コンサルタントが一方的に「組織として普通だと思う」と自分の考えを押し付けて

おり、クライエントの自己決定権を尊重せず寄り添う姿勢が見られない。

事例ⅡのCCt10  相応しい

理由: クライエントの「情けない気持ちが湧いてきた」という感情を受けとめ明確化し、

気づきにつながる自己洞察を促している。

<問3>

クライエントは、園長になって一年になるが、理事長から「若い職員がのびのびと仕事をしていない感じを受ける」などと言われ、職員をまとめきれていないと焦っている。しかし、原因を充分に分析せずに「空回りしているような気がする」とか、自分が手本を示しているのに「職員が私の言うことをわかってくれない」などと思い込んでいる可能性がある。その意味で、自己理解、仕事理解とも不十分であると思われる。

<問4>

クライエントは、自己洞察の結果、「職員の失敗を恐れて園を守ることしか考えていなかったかもしれないという」という気づきに至った。さらに以下のように面談を進めクライエントに自信を回復してもらうようにサポートする。

  • まず、「職員の失敗を恐れて園を守ることしか考えていいなかったかもしれない」となぜ気づいたのか、その理由を確認する。コロナ対応をめぐる保護者との面談の場面など具体的に確認する。
  •  過去に自身が園長や先輩に厳しく指導された経験などをふりかえり、「園を守る」ことを優先して考える価値観が身についた経緯を確認する。今の園では、職員の気持ちを大切することが、むしろ重要であることに気づきを促す。
  • 園長が率先して見本を示すなど自分がすぐに行動することが、職員にプレッシャーを与えたり、「やる気」をなくさせる可能性があることに「気づき」を促す。

公立保育園での約30年間にわたるキャリアと実績の棚卸を行い、園長としてのマネージメントに生かせることに気づきを促し、自信を回復してもらう。

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解答例、是非ご活用下さい。

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